株式上場

株式上場とは

株式上場(株式公開)とは、株式会社の株式を証券市場(証券取引所)に取引銘柄として登録し、市場での自由な売買を可能にすることです。

我々が証券会社(証券会社は証券市場における株式等の売買を仲介する存在です)に行って、自由に武田薬品やアステラス製薬の株を購入できるのは、それらの会社の株が市場で売買できるよう証券取引所に上場されているからです。一方、例えば大塚製薬やサントリーの株式は証券会社に行っても購入できません(2010年3月時点)。その理由は、大塚製薬やサントリーは有名な大会社ではありますが、証券市場に株式を上場していないからです。

株式上場は希望すればどの会社も銘柄登録が可能というわけではありません。証券会社と証券取引所による審査をクリアしなければ、上場は承認されないのです。なぜかというと、事業に魅力がなく市場に上場してもその株を買いたいと思う人が出てこないような株は上場しても意味がないからです。また、社会的・倫理的な観点から上場にふさわしくないとされる場合もあります(例えば、風俗で儲かっている会社は上場できないでしょう)。

通常、株式を新たに上場する際には、新規に株式を発行して市場の投資家に買ってもらったり(公募増資)、すでに発行している株式の一部(例えば創業者の持ち株)を市場に売り出したりします。そうしないと、せっかく上場しても市場で取引される株式がゼロでは売買が行われないからです。このように新規の株式上場には公募増資や株式の売出を伴うことがほとんどであることから、株式上場のことをIPO(Initial Public Offering)ともいいます。


株式を上場すると直接金融による多額な資金調達が可能に!

会社が公募増資を行った場合(新たに株式を発行して市場で売り出した場合)、売り出した分だけ会社は新たな資金を手に入れることになります。すなわち、会社にとって株式上場は資金調達の手段になるわけです。バイオベンチャーにとって株式上場による資金調達は、開発資金の確保という点で大きな意味を持ちます。未上場時は限られた投資家からしか資金が集められなかったのが、市場を通してより多くの投資家から、より多くの金額を集めることが可能になるからです。ただし、そのためには事業の魅力を投資家に理解してもらわなければなりません。

株式上場時以降に新たな資金調達が必要となれば、再度の公募増資の実施も可能です。このような証券市場からの資金調達を直接金融といいますが、資金投入によって魅力のある事業を展開できるベンチャーにとっては、直接金融への道が開ける株式上場は企業としての大きなステップアップになります。また、株式上場は企業としての信用度、知名度の向上にもつながり、取引先の拡大や人材採用の円滑化などのメリットもあります。

反面、株式を上場すると、会社の価値(株価)を市場投資家から日々問われることになり、創業者や経営者にとっては経営の自由度が多少なりとも下がることになります。未上場時は自分の思うがままに経営できていたのが、上場後は株主から会社価値の向上を求められ、経営成績が悪ければパッシングを受けることもあります。また、上場企業には守らなければならない一定のルールが課せられます(例えば、業績を定期的に発表しなければならないなど)。このための対応要員を雇わなければならないので、会社としての固定費が上昇するデメリットもあります。

上場の道を選ぶかどうかは、会社毎に上記のようなメリットデメリットを勘案して決めるべきことですが、資金調達が多額にのぼる多くのバイオベンチャーは、直接金融の道を開くために株式上場を目指しています。