経営者を目指す

経営者に必要なスキルとは

キャリアの方向性として、最終的に経営者を目指すという方もいるでしょう。私の経験では、バイオベンチャーの場合、開発職出身の経営者が多いように思います。しかし、研究や財務など、他の職種をベースに活躍している経営者も多くいらっしゃいますので、特に開発職の経験が必須であるとは思いません。ただし、開発機能はバイオベンチャーの事業の中核になりますから、医薬品開発の基本や自社開発品の特性などを理解できる知識レベルを持つ必要はあるでしょう。

経営者に必要なスキルは一言ではいえませんし、優れた経営者にもいろいろなタイプの方がいます。ただ、私は自分の経験から、優れたバイオベンチャーの経営者に共通したスキルとして次の点が挙げられると考えています。将来経営者を目指す方は、キャリアを積む過程でこれらのスキルの向上も意識してみてはいかがでしょうか。


経営管理能力

会社の経営状況を把握し必要な手立てを適切に打ち出していく。会社を組織として機能させ事業を計画通りに進める。経営者としては当然求められることですが、バイオベンチャーの経営者には特に高い経営管理スキルが必要ではないかと思っています。その理由は、バイオベンチャーの事業が企業間取引を主体としたビジネス(BtoBビジネス)であり、しかもその取引単価が高額であるからです。

バイオベンチャーには、未上場の段階からベンチャーキャピタルなどの外部投資家が多く参加しています。また、事業(開発品目)の売り込み先は一般の消費者ではなく製薬会社という企業相手になります。しかもその際に動くお金の単位は少なくても数千万円、大きいときには数億、数十億円になります。このような企業間の取引の場面においては、経営や事業(開発)の状況を論理立てて説明することが求められます。常日頃から経営・事業の状況を筋道立てて把握する経営管理能力が備わっていないと、信用力が低いベンチャーが大きな企業間取引を実現するのは難しいでしょう。

経営管理能力には会社の数字を把握するという意味において、一部財務面でのスキルも含まれます。会社の基本的な数字を理解、説明できるだけの知識レベルが必要になるでしょう。

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製薬会社中核人物とのコミュニケーション力

バイオベンチャーにとって、製薬会社との提携はひとつの大きな事業目標になります。製薬会社とのライセンス契約によって、医薬品としての承認取得、製造、販売への道筋が大きく開けてきます。

製薬会社とのライセンス契約は大きな取引になります。交渉には短くても3ヶ月、1年以上かかることもめずらしくありません。その交渉過程においては、相手方製薬会社の交渉のキーパーソンを見極め、その相手からの信頼を勝ち取ることが必要になります。ベンチャー側は経営者(社長)が会社の顔になりますから、経営トップとして製薬会社のキーパーソンと堂々と交渉し、一目置かれるぐらいの力量が必要です。その土台になるのは、製薬業界へネットワーク力、製薬ビジネスへの深い理解などのベースの力です。普段から製薬業界への関心を高く持ち、知識や人脈の拡大に努めておくことが重要になります。


ビジネス英語力

バイオベンチャーにはグローバルなビジネス展開が欠かせず、海外企業との取引も多くなります。臨床試験は海外で行うことがごく当たり前ですし、海外の製薬会社とライセンス交渉を行うこともあります。そういった場面において、経営者がまったく英語でコミュニケーションが取れないとなると、ベンチャーとして信用を勝ち取ることが難しくなります。場面によって通訳や代理人を使うことはあっても、重要な局面においては経営トップとして英語で意思表示ができる力があると頼もしいと思います。

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