上場を目指すバイオベンチャー

バイオベンチャーは、会社の目標として株式公開(上場)を目指していることが多いです。その理由は、バイオベンチャーは多額の研究開発費を要することが多く、その資金源を株式市場に求めているからです。また、上場企業になることにより、会社としての信用力が高まり、人材採用がしやすくなるといったメリットもあります。皆さんが就職・転職を検討するバイオベンチャーもほとんどがすでに上場をしているか、上場を目標にしているでしょう。

 (関連知識 ⇒ 株式上場

上場企業には、会社法や金融商品取引法などによって、企業としてより信頼性の高い経営を行うことが求められます。株式市場に上場すると、個人投資家を含めた不特定多数の投資家を株主として迎え入れることになり、不正から投資家を保護する仕組みが必要になるからです。逆にいえば、信頼できる経営が行われていると認められなければ上場はできません。

また、証券会社や証券取引所による上場審査では事業の成長力、リスクの度合いも評価の対象になります。開発に成功すれば爆発的な売上が期待できる製品を持っていたとしても、開発リスクが高いなどの理由で事業として成立する可能性が低ければ上場は認められません。個人投資家含めた一般投資家がとるリスクとしては大きすぎると判断されるからです。上場するには、成長力がある製品・技術を持ち、かつ事業としての成立の可能性をある程度高める必要があるのです。具体的には、創薬ベンチャーが上場を目指す場合には、「臨床試験において開発品目の有効性が確認されていること」や「製薬会社との販売提携ができていること」などが審査の目安として示されています。

 (関連知識 ⇒ バイオベンチャーのIPO

上記のような経営の信頼性や事業性評価をクリアして上場を果たしたバイオベンチャーは日本ではまだそれほど多くはありません。2010年時点では、200〜300社あると考えられるバイオベンチャーのうち、上場企業は20社あるかないかといったところです(上場バイオベンチャーの数え方も定義する人によってマチマチです)。


上場バイオベンチャーの代表としては次のような会社があげられます。

アンジェスMG

大学発創薬ベンチャーとして、日本で初の株式上場を果たした会社です。大阪大学医学部の森下竜一先生が1999年に創業、2002年に東証マザーズ上場を果たしました。2008年3月には主力開発品であるHGF遺伝子治療薬の国内承認申請を実施しています。

オンコセラピーサイエンス

その名の通り、ガン領域に特化した研究開発型のバイオベンチャーです。東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター中村祐輔先生の網羅的な癌遺伝子研究成果を実用化する目的で2001年に創業され、2003年には東証マザーズ上場を果たしました。

カルナバイオサイエンス

2003年、日本オルガノンからのスピンアウトベンチャーとして設立された会社です。キナーゼをターゲットとした創薬プラットフォームを保有しており、海外にもその製品やサービスを提供しています。同社は2008年、ジャスダックNEO市場に上場を果たしました。


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