医薬品の開発プロセス その2

4.承認審査 New Drug Application

フェーズ3試験が終了し、医薬品としての有用性を十分持つと評価されたものについて、規制当局への製造・販売承認申請が行われます。申請には基礎研究、前臨床試験成績、臨床試験(治験)成績をすべて添付する必要があります。審査を行う機関は、日本の場合は「医薬品医療機器総合機構」、米国の場合は「FDA(米国食品医薬品局)」です(日本の場合、承認を与えるのは厚生労働省です)。

以上のプロセスを経て、製造・販売承認を取得できれば、いよいよ医薬品として販売を開始できることになります。


開発リスクの高さ = キャリアのリスクではない

医薬品の開発は長い期間と資金が必要な仕事です。また、開発途中段階でつまづくことも少なくなく、基礎研究で得た医薬品候補物質が承認取得、販売までに至る可能性は決して高くはありません。どんなに優れた基礎研究データが出ていたとしても、前臨床試験の段階で安全性に懸念が発生して開発を止めざるを得ない場合もあります。製造プロセスが確立できないといった理由で先に進めなくなることもあります。また、いくら細胞や動物を用いた試験で優れた結果が出ていたとしても、実際の患者さんで効果があるかどうか、治療メリットを上回る副作用がでないかどうか、それは臨床試験段階を経てみないとわかりません。動物と人間は体の構造が違うのだから当然といえば当然です。

「創薬って、そんなにリスクが高いの?」と思われる方もいるかもしれませんが、リスクとリターンのバランス、すなわちリスクがあっても成功した時の価値(リターン)の高さに魅力があるからこそ、創薬ベンチャーは成り立っているのです。事業の価値には、経済的価値もありますし、”治療法のなかった患者を救う”という社会的な価値もあるでしょう。重要なことは、リスクとリターン(自分にとっての見返り)がバランスのとれたものであるかどうかです。

また、仮にひとつの開発品で失敗したとしても、そこで得た経験は必ず自分のキャリアになります。それを次に活かせばよいのです。


創薬関連のおすすめ書籍へ >>

医薬品の開発プロセス その1へ <<