製薬業界、製薬会社の実態にメスをいれた書籍

ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実

この本は、医薬品関連業界への就職、転職を考えている人、今製薬会社で働いている人は読んで損はないように思います。私も製薬関連の仕事をしていた時期がありますが、こういう視点で自分達のビジネスを考えたことは正直ありませんでした。

この本には、ある意味では製薬会社、特にビッグファーマと言われる大手製薬会社のビジネスへの強い批判が描かれています。端的にいえば、製薬会社はその利権を活かし儲けをむさぼっている、そういう論旨になるでしょうか。製薬会社は民間企業ですが、医薬品は単純な民間ビジネスとは違い、国の医療政策等と密に関連しています。医薬品の製造販売承認を与えるのは公的機関ですし、その売上に占める公費の割合が多いという特徴もあります。そこに利権が発生し、製薬会社がそれを利用してきた過去がある、それは否めないような気がします。

現状の製薬会社は民間企業ですから、努力して新たな医薬品を産み出したら相応の対価・利益が得られる仕組みがなければ、ビジネスを行うモチベーションが失われてしまいます。一方で、製薬会社が民間企業として利益を極大化しようとすることが、時に大きな社会問題となることがあります。薬害問題もその1つでしょう。よりよい医薬品が社会にもたらされるよう製薬会社のモチベーションを高める、一方で医療費の増大や薬害といった社会問題の発生を抑える、この点は国の医療政策上、非常に重要な論点だと私は思います。

この本に書かれている批判をそのまま鵜呑みにする必要はありませんが、医薬品ビジネスに関わることの意味を自分の中で再確認したり、1国民として医療政策や製薬会社の存在意義を考えるにあたって、一読する価値はあると思います。出版から少し時間は経っていますが、製薬会社のビジネスがこの数年でこの本の論旨を覆すほど変わったということはありませんし、気にすることなく読めると思います。


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