バイオベンチャーのIPO その1

IPOはバイオベンチャーの登竜門

多くのバイオベンチャーは、IPO(株式上場)をひとつの目標に置いています。その理由は、バイオベンチャー、創薬ベンチャーが多額の開発資金を必要とする業態であり、株式上場による機動的な資金調達手段の獲得が事業を進める上で重要だからです。

IPOを実現するには、証券会社および証券取引所の審査をクリアすることが必要です。審査のポイントには、「事業の実績、成長性」といった事業面、「会社としての運用体制、信頼性」といった組織体制面の2つがあります。ここでは、特にバイオベンチャーの事業面の審査について触れることにします。

バイオベンチャーが最初に上場を目指す証券取引所には、東証マザーズ、ジャスダックNEO、大証ヘラクレスなどがあります。東証マザーズは、日本の証券市場の中核である東京証券取引所(東証)のベンチャー向け市場であり、現状最も多くのバイオベンチャーが上場している市場です。ジャスダックNEOは、ジャスダック証券取引所が2007年に開設したベンチャー向け市場であり、将来性のあるテクノロジー開発やビジネスモデル展開を行う成長の可能性を有する企業を支援することを目的にしています。経済環境の悪化により上場企業数全体が減少しているため、あまり数は多くありませんが、開設以降、ジャスダックNEOにも数社のバイオベンチャーが上場しています。


IPOに向けての審査

バイオベンチャーのほとんどは製品の開発途上、赤字の状態で上場することになります。利益という数字に現れる実績を示すことができませんから、事業の魅力や成長性を説明する材料は保有している開発品目や技術の有望性が中心になります。「実現すればどれだけ有用な医薬品となり、売上がどれだけ期待できるか。いつ頃に販売が開始できそうか。開発リスクはどの程度あるか。」といった内容を証券会社や取引所に理解してもらえるかどうかが審査のポイントになります。

しかし、証券会社や取引所にとっても、専門的な技術評価は難しいのが実情です。先端的な技術であればあるほど、その評価は難しくなるでしょう。多くの有望バイオベンチャーを上場させたいものの、一方で中身がよくわからない会社を上場させるわけにもいかない、そういったジレンマが取引所や証券会社にはあるのだろうと思います。


 バイオベンチャーのIPO その2へ >>